2013年7月9日火曜日

尋常性(じんじょうせい)白斑(はくはん)病と漢方

カネボウさんの記事に関連しまして、、

皮膚の白斑を中医学では「白なまず」「白癜風(はくでんぷう)」「白駁(はくばく)」
などと呼んでいて、弁証は下記の3つに分類されます。

1、気血不和の白斑
2、暑湿の白斑
3、虫積の白斑

1、気血不和の白斑
⇒身体のバランスが崩れ臓腑の機能が失調したり、風邪(ふうじゃ)をたびたび
 外感して気血が疑滞し、発生する。

治法:軽症には祛風和血の白癜風丸(はくでんふうがん)もしくは
   調和気血の逍遙散を用いる。舌に瘀斑があって脈が微渋のものには
   活血化瘀で通竅活血湯を用いる。


白癜風:補骨脂(ほこつし)、黄蓍(おうぎ)、紅花(こうか)、川芎(せんきゅう)
当帰(とうき)、香附子(こうぶし)、桃仁(とうにん)、丹参(たんじん)、
烏梢蛇(うしょうだ)、紫草(しぞう)、白鮮皮(はくせんぴ)、山薬(さんやく)

2、暑湿の白斑
⇒夏の暑い季節に、湿熱のために肌腠が欝して発散しないことによって発生する。
 
治法:清暑祛湿で、清暑湯を内服し、汗斑擦剤を外用する。

3、虫積の白斑
⇒不潔な飲食物で回虫が寄生して、気血を消耗した為肌膚の栄養が不足して生じる。

治法:駆虫理脾で肥児丸を内服し、苦参酒を外用する。

薬品が原因による白斑でいうと、邪が皮膚の間に挟まり込み経絡を侵し、気血の流れを
阻んでいると考えられるため、祛風、調血をしていくことになるとは思うのですが、
何せ難治性の疾患ですし、当事者は視覚的にもかなりの精神的ストレスがかかっている
はずなので、そちらのケアも必要になってくるでしょう。

皮膚病は、西洋、東洋いずれの医学においても、そのメカニズムは複雑で、
まだまだ解明されていない分野がたくさんあります。
その分、新しい治療方法で劇的に改善する可能性も持っているはずなので
副作用を調べていたら、その作用機序から新薬が開発されました!的なことが
もっともっと起こればいいなーと思っています。

mitsueより



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