2013年7月29日月曜日

太陽と森と水田。@ゲンロンカフェ

前回に引き続き←(第5回)
『一般意志2.0』とその後の第6回を聴きにゲンロンカフェへ行ってきました。
坊主姿の東さんもなかなか良かったです♡

今回も、いろいろ自分の身のまわりで起こってる事象に哲学的思想を当てはめてつつ
ぼんやり講義を聴いておりました。

冒頭で、最近出版された「チェルノブイリダークツーリズムガイド」についてお話されて
いましたが、この本は多くの重要な問題を提起しているし、今後の日本の復興を
構想する上で大きなヒントがつまっていると感じています。私自身、3.11は日本の大きな
分岐点だったと思っていて、現在何気ない日常が3.11前と変わらず流れているようですが
いつの日か「あの日を境に変わってしまったね」と実感する日がやってくる気がしています。

チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1

原発事故をどう捉えるか?と考える時、これまでは、まず「理系思想」ありきで
「ミリシーベルト」「ベクレル」の単位が思考の軸になってるのに対し、
事故周辺に人が住み、生きているという「人文学的な思想」は今まで置き去りに
されてきています。「チェルノブイリの被災者は何を考えて生きてきたのか?」
「何故脱原発できなかったのか?」など知り得なかった情報や直面するであろう問題を
気付かせてくれるので、福島だけでなく、日本の未来についても考えさせられますよ。
オススメです!


さてさて、講義の〜備忘録メモ〜です。

◎参議院選挙後、安定政権を確実なものにした自民党に対して、抵抗する為の力が
ほとんどない野党という構図になり、今民主党が解党してしまうと政権交代は10年
ないと考えられる。
→政権を担う為にはバックアップ体制つまり多くの人員が必要で、それに対応できる
 野党がない。。日本は複数政党制が本当に機能しているんでしょうかね。残念です。

◎昨今の若手論壇がブームも今回の政界再編によって方向性が変わっていくのでは。

→これは非常に勉強になります。
 第3極として徐々に勢力をつけつつあったものが、絶対的な勢力ができあがることで
 与党のリベラルと組むか、もしくは批判だけをするようなもになる二極化が起こって
 つまらなくなるということだと思われますが、古い体質のサラリーマン社会でも
 思い浮かぶ事例ありますよね(笑)

◎ネットは熟議する場ではなく、リアルタイム動員を強化する場であり、これは
 日本のネットの特性であって、この流れは変わらない。

◎民主主義とは何か?大衆が決めることが正義であり、決める内容はなんでもいい。
   大衆の考えを可視化することはできるが、限りなく世論調査に近づくだけで
   何も決まらない。

→決められない、決まらない、最近増えてきたのはこれですね(笑)

◎民主主義の果てにあるのはリアルタイム化したポピュリズムであってそれだけでは
 政治はできないのでは?そこに何かの制度を付け加えなければならない。

→この決めるっていうことが、所謂エリートさん(笑)にしかできない仕事でしょうし
 それはきっと無根拠のはずですね。。

◎「草木国土悉皆成仏」
人間中心主義、つまり人間の徹底的な自然支配の思想は3.11以降行き詰まりがあり
新しい人類の指針になるような思想が必要とされていて、その思想が日本文化の
原理の中に存在しているのではないかと梅原猛は説いていて、
「草木国土悉皆成仏 そうもくこくどしっかいじょうぶつ 」を提示している。

57分というかなり長い動画ですが、じっくり、考えたいと言う方は是非↓↓



◎太陽と森と水田。=超越と創発(環境との調和)と人の秩序。

→これ、めちゃ難しいけど、物事が大きく変化したり、行き詰まり感を超えていくには
 必要な考え方な気がする!
 
◎インターネットは森の思想と似ていて、環境の調和を求めていて、例えば
 Facebookの「いいね!」が貰えるように動いていってしまう。
 社会に中心があるのではなく、個々が個別性を追求し好き勝手に生きるようになると
 未来は明るくなくなる。ここに太陽のような超越したような力が必要なのではないか?

◎太陽は贈与のみ。

◎欲望=自分が何を求めているかさえわからず、一度満たされたとしてもまたすぐ
    枯渇感を感じる得体のしれないもの
 欲求=ニーズがはっきりしていているもの

→人々が求めるものは、ニーズを満たしてくれるものではなく、欲望を満たして
   くれるものっていうの、何かわかりますよね。カリスマ性のある人って、求める
 ニーズに対応してくれる人じゃなくて、「この人何をかわかんないけどなんとか
 してくれそう」な人ですものね。はっ!としました。


今回も面白かったです。
mitsueより

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